【レビュー】遊☆戯☆王 真デュエルモンスターズ 理不尽難易度ゲーが神ゲーになる瞬間

ゲームレビュー

お互いの初手の動きでほぼ決着が着く。パワーカードでひたすら殴り合う。

そんなカードゲームが遊びたいなら「遊戯王真デュエルモンスターズ ~封印されし記憶~」がオススメだ。(以下、真DMと呼ぶ)

初代プレイステーションで発売された本作は、最高にぶっ壊れてる理不尽難易度なカードゲームであり、アルティメットな戦略カードゲームだ。

原作がまだ王国編の途中だったこともあり、最近の遊戯王を知らない人でも十分楽しめる。

今回はそんな真DMの紹介をする。

遊戯王っぽい何か

昔の遊戯王ゲームにありがちだが、本作はOCGのルールと多少異なっている。

まず、アドバンス召喚(生贄召喚)は存在しないので攻撃力3000級の高レベルモンスターを初手から素出し出来る。

更に、ブルーアイズアルティメットドラゴンやゲートガーディアン、究極完全態グレートモスなどの通常召喚できないモンスターも通常モンスターとして収録されているので終盤の敵ははそれらのカードをしれっと素出ししてくる。

俺のターン!手札からブルーアイズアルティメットドラゴンを攻撃表示で召喚!守備モンスターを攻撃!ターンエンド!

この光景がラスボスなど一部のボスで当たり前のように見られる。

まるで遊戯王っぽい何か別のカードゲームのようだ。

理不尽な難易度設定

プレイヤーも強力なカードを集めないと勝てないのだが初期デッキは攻撃力500前後の雑魚モンスターがほとんど(このデッキでも序盤の敵は勝てる)なので使い物にならない。その上、デュエルで勝利すると貰えるカードも初期デッキレベルの攻撃力のクソ雑魚カードばかり。魔法やトラップはめったにもらえない。

別売りのポケットステーションを持っていればテレビのリモコン経由で強力なカードが入手できるがこの環境を持っているプレイヤーは当時でもあまりいなかっただろう。

結局、全く強いカードが揃わないままゲーム後半まで進んでしまい攻撃力3000超えを連発してくる敵に理不尽なくらいボコボコにされてしまう。

多くの真DMプレイヤーはゲーム後半で誰にも勝てなくなり詰んでしまうだろう。

ただ一つの攻略法

それでも真DMはクリア可能だ。

真DMをポケステや増殖技などを禁止してクリアするための方法はほぼ一通りしかないが確かに攻略法が存在する。

キーワードは「双頭の雷龍」「草原神官兵」だ。

双頭の雷龍

双頭の雷龍

真DMは特殊な融合システムを採用しており、手札のモンスターを二枚以上同時に場に出すことで融合が発動する。融合素材は原作通りのものもあれば真DMオリジナルのものもある。いくつか例を挙げる

  • カース・オブ・ドラゴン+暗黒騎士ガイア=竜騎士ガイア(攻撃力2600)
  • 植物族+ドラゴン族=密林の黒竜王(攻撃力2100)
  • 女性モンスター+岩石族=サンドウィッチ(攻撃力2100)
  • 雷族+ドラゴン族=(どちらかが攻撃力1600以上の場合)双頭の雷龍(攻撃力2800)←超重要

融合条件さえ覚えていれば初期デッキでも攻撃力2000オーバーのカードをポンポン融合召喚できる。頭を捻って融合パターンを導き出して手札の雑魚カードを強力モンスターに作り上げるのは意外と中毒性があって面白い。

中でも双頭の雷龍は素材の条件が緩いモンスターの中で最高の攻撃力を持っているのでこれ一枚で中盤まで無双できる。初期デッキに雷族とドラゴン族が入っていることも多いので最序盤から出すことができる最強カードだ。

さらに対応する装備魔法カードが多いため、強化を積むことでなんとブルーアイズアルティメットドラゴンに打ち勝つこともできる。まさに真DMの救世主のような存在だ。

草原神官兵

草原神官兵

流石に初期デッキから作れる双頭の雷龍は多くても2枚が限度。

結局、後半戦(古代編2)開始と同時にデッキパワー不足で負けることが多くなる。(敵が攻撃力3000以上のモンスターを出してくるため)

どうにかして初期デッキに双頭の雷龍が生えた程度の雑魚デッキを強化しなければならない。プレイヤーはこの辺りで、フリーデュエル(再戦モード)で弱い敵を狩って強力なカードのドロップを狙う。

ここで頼りになるお助けキャラが「草原神官兵」だ。後半編スタートと同時に戦えるようになるこいつのデッキは最高攻撃力がせいぜい2600程度であり、双頭の雷龍のみで完封できる(千年の盾を出された場合を除く)

その一方で、ドロップするカードが異常に強い、いくつか紹介すると

  • メテオ・ブラック・ドラゴン(攻撃力3500)
  • ブラック・マジシャン(攻撃力2500)
  • スカルビショップ(攻撃力2650)
  • カース・オブ・ドラゴン(攻撃力2000、双頭の雷龍素材)

(草原神官兵が落とす優良カードたち)

などだ。特にメテオ・ブラック・ドラゴンは普通プレイで手に入る最高攻撃力カードで守護星(カード毎に設定されている相性)も良いのでブルーアイズアルティメットドラゴン以外の全てのカードに勝つことができる破格の強さを持っている。

ゴミカードまみれのドロッププールの強敵も多い一方で、草原神官兵はデッキ強化の圧倒的なコストパフォーマンスを秘めている。まさに相棒だ。(それでもドロップ率はそんなに高くはない)

要約すると、真DMの攻略法は、「融合で双頭の雷龍を作って草原神官兵をボコボコにし続けて強いデッキを作れ」ということだ。

一周回って面白くなる

ゲームの中盤辺りまでたどり着いて上記のような真DMの「攻略法」が分かってくると徐々にこのゲームの隠れた魅力に気づく。

微妙な手札から強力なモンスターの融合パターンを探り当てたとき、相手のカードの守護星などからリバースモンスターをズバリ予想出来た時などには謎の爽快感が得られる。

特に相手の手札が事故っている時の相手の最強カードを引かれたら負けるけど、ここで双頭の雷龍を切って一気に押し切るかそれとも装備魔法を引くまで壁モンスターで粘るかという駆け引きは個人的にこのゲームで最も面白い瞬間の1つだ。

また、ラストバトルのノーセーブで6連戦するイベントでは敵も当たり前のようにブルーアイズアルティメットドラゴンを素出してくる。そんな厨キャラばっかり使ってくるボスを苦労して入手した双頭の雷龍やメテオ・ブラック・ドラゴンで倒したときは大きな達成感に満たされる。

プレイ時間の大半はこちらが一方的に押してるか、相手に一方的にボコられるかのどちらかだが要所要所で他のゲームでは得られ難い爽快感や駆け引きがある。

クソゲー特有の派手な戦いを演出する良BGMのおかげかゲートガーディアンやらメテオ・ブラック・ドラゴンやら双頭の雷龍で殴り合ってるだけのデュエルもさながら名もなきファラオと闇の大神官が繰り広げる壮大な決闘のように感じてしまう。

そう思う頃にはもうこのゲームが神ゲーにしかみえなくなっているだろう。このゲームは一周回って面白くなるスルメゲーっぽさがある。

コミュニティ

真DM特有の爽快感に毒されたプレイヤーは多く、激レアカードのドロップを狙って同じ相手と数百戦戦うコレクターやRTAをする人など、いろんなやり込みプレーが盛んに行われている。

後者のRTAコミュニティは海外も含めると意外と人口が多い、Speedrun.comでは約90名の走者が登録している。(Leaderboard)

WR保持者はなんと状況再現を駆使してメテオ・ブラック・ドラゴンを序盤に三枚入手。凄まじい勢いでメテオ・ブラック・ドラゴンが突き進んでいく様は爽快だ。

この戦術が見つかったのもほんの数年前のことのようだ。

発売から後少しで20年になるが、クソゲーと言われているにも関わらずこんなにも愛されているゲームはなかなか稀有な存在だろう。

コメント